【島根大学の偉人3】島根県の英語教育の父 バーソルド・アロンスタイン博士

Dr.Berthold Aronstein(1910~1986)

 米国から派遣されたバーソルド・アロンスタイン博士は,昭和26~31年、島根大学で英語や教育学の教鞭をとりました。
 アロンスタイン先生は、毎週水曜日、旧奥谷宿舎のダイニングルームで島根大学の教官・学生・市民などを招いて英会話教室を主宰され、その温厚な人柄から「アロンさん」という愛称で親しまれていました。
 アロン先生に英会話を習った学生たちは、その後、アメリカに留学したり、県内の英語教師になるなどして、ご活躍されました。
 博士が暮らした外国人教師宿舎は,城下町のなかに今も残されています。
アロンスタイン博士 昭和27~28年頃(島根大学旧奥谷宿舎にて)
アロンスタイン夫妻
昭和27年4月(島根大学旧奥谷宿舎前にて)
国籍など 米国(ドイツ系ユダヤ人)。祖父の代にドイツから米国に移住。晩年は西ドイツで暮らす。

略 歴
1910年10月23日生まれ
1946年2月(35歳) ジョージ・ワシントン大学入学
1946年9月(35歳) カリフォルニア大学転学
1948年2月(37歳) カリフォルニア大学卒業
1948年9月(37歳)~1950年6月(39歳) カリフォルニア大学授業担当助手
1949年2月(38歳) カリフォルニア大学 文学修士取得
1950年6月(39歳)~1950年8月 アイダホ教育大学講師
1951年2月(40歳) カリフォルニア大学 哲学博士取得
1951年5月1日(40歳)~1956年2月27日(45歳)
 島根大学外国人教師(人文科学〔政治学、歴史学、英語、教育学〕担任)
   ・・・フルブライト交換教授として赴任。この間、島根大学旧奥谷宿舎に暮らす。
1984年10月19日頃~11月2日(74歳) 
 教え子らに招かれ再来日。島根大学、旧奥谷宿舎など訪問。
1986年4月26日(75歳) 亡くなる。

*著名な言語学者でアウシュビッツでナチスに殺害されたフィリップ・アロンスタイン博士(Dr. Philipp Aronstein (1862 - 1942))は叔父。

参考文献・島根大学所蔵公文書
・溝上泰子1987「アロンさん」『底辺十六年/断想拾遺(4)』人類生活者・溝上泰子著作集第9巻、影書房

コメント