2012年4月26日木曜日

【島根大学の貴重標本類27】南極の石


島根大学ミュージアムには、本館の林正久館長が収集された南極大陸の石があります。

写真は、南極大陸の風の磨耗作用によって生じた平滑面を持つ「風稜石」です。
平滑面は、吹き飛ばされる砂粒が長い時間をかけてサンドペーパーのように石の表面を磨いて出来たものです。
風向が季節によって異なると別の平滑面が作られ、面と面の間は尖った稜で画されるわけです。4つの稜線があるピラミッド型や3つの稜線があるテトラ型(三稜石)など多様なタイプがあります。
写真の資料は、ラングホブデ産の風稜石です。
ザクロ石片麻岩やペグマタイトなど、比較的硬い岩石が磨かれたものです。
「風稜石」
「風稜石」
写真下(左)は「砂漠ワニス」の付着した礫です。
表面は皮膜のようにコーティングされています。
「砂漠ワニス」とは、褐色のニスを塗ったかのような光沢を示すもので、礫の内部にある極微細な結晶面やひびに沿って、地表の水分が毛細管現象で上昇し、石の表面で蒸発、水に含まれる化学成分が析出・蓄積されてできたものです。
ある期間水分が存在し、その後、乾燥したような環境下にできるといわれています。

写真下(右)は、「蒸発岩」です。
水が蒸発昇華すると水中に含まれるカルシウムやナトリウムなどの塩類が析出します。
こうしてできた石膏や塩化ナトリウムは二次的な鉱物で蒸発岩と呼ばれます。
砂漠ワニスの付着した礫(左)、「蒸発岩」(右)
現在では、規制が厳しくなり、南極大陸から大きな岩石をもちかえることはできません。本館所蔵のものは、大変貴重なコレクションであるといえます。

その他の南極の石コレクションはこちら(島根大学標本資料類データベース)≫http://museum-database.shimane-u.ac.jp/specimen/complexSearch?set_Select=minerals,rocks&other_Input=%E5%8D%97%E6%A5%B5%E5%A4%A7%E9%99%B8&s=none&volume=20

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