2013年3月23日土曜日

第55回ミュージアム講座「出雲における古墳の終焉」を開催しました。

本日午後は、今年度最後のミュージアム講座を開催しました。

今回は、島根大学法文学部准教授・岩本崇先生に、「『出雲』における古墳の終焉」というテーマでお話をしていただきました。

7世紀は、古墳の造営が廃れていく時期で、古墳時代終末期とも呼ばれています。
畿内地域にある、この時期の古墳の一部では、「横穴式石室」から「横口式石槨(せっかく)」という方式の埋葬施設に変わっていきます。
「横口式石槨」とは、「横穴式石室」と同じように入口が墳丘の横方向に付いていますが、遺体を納める部屋が縦長で、比較的小さくなっているのが特徴です。

出雲地域では、松江市の廻原1号墳が、畿内地域の影響を受けた「横口式石槨」をもつ古墳であると考えられてきました。廻原1号墳は、出雲における古墳の終焉や畿内地域との関係を考えるうえで第一級の資料です。これまで発掘調査が行われていなかったため、2010・2011年度、基礎的データを得るために、島根大学法文学部考古学研究室によって発掘調査がなされました。

これまでの発掘調査の結果、一辺9~10mの方墳であること、「横口式石槨」とみるより「横穴式石室」に近いこと、およそ7世紀後半~末頃築造の可能性をもつことなどが分かってきました。

こうした基礎データをふまえて、今後、出雲地域における古墳の終焉の様相について考察が加えられていくことになります。
律令国家形成への過渡期にあたるこの時期の古墳研究は、畿内地域と「出雲」との関係、仏教導入による葬制への影響など、興味深い課題を含んでいます。それだけに、廻原1号墳の発掘調査成果は、こうした課題解明にとって、重要な位置を占めています。

なお、廻原1号墳の発掘調査や整理作業は今後も続けられる予定です。今後、さらなるデータが明らかにされていくことが期待されます。

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