第58回ミュージアム講座「島根県の化石探訪」を開催

本日は、第58回ミュージアム講座「島根県の化石探訪」を開催しました。

講師は、入月俊明先生(島根大学総合理工学研究科教授・島根大学ミュージアム兼任研究員)で、内容は、島根県の化石にはどのようなものがあるのかということについて、地球全体の生物の歴史のなかで位置付けられたお話でした。

島根県では、吉賀町の六日市で古生代ペルム紀の放散虫化石や中生代ジュラ紀のアンモナイト化石が産出します。

新生代の約2000万年前になると、松江市の古浦層からタニシの化石などが出土します。このことから、当時、島根県のあたりは湖であったと考えられています。

1700~1500万年前になると、浜田市唐鐘層などからビカリアなど熱帯に生息する貝が出土します。このことから、当時の島根県は海が進入して日本海が拡大した時代で、沖縄なみに暖かかったと考えられています。

つづく1400~1300万年前では、松江市の布志名層からクジラやアザラシなどの化石が見つかっています。また、ミジンコなど、大変小さな化石も産出します。この時期の松江市宍道町のあたりの環境は、水深50m程度の静かな泥の海だったようです。

以上のように、化石の様相によって、それぞれの時代の環境を知ることができるわけです。

講義のなかでは、受講者が、実際にいろいろな化石を手に取って観察する時間もありました。貴重な標本を、興味深く観察しておられました。

本日の講座は、5億年以上も前から始まるスケールの大きな話でしたが、大変分かりやすい解説で、本物の化石にも触ることができた、楽しい内容となりました。


*入月先生の講演は、下記でも予定されていますので、ご案内いたします。

平成25年度市史講座「出雲地方の地質と化石」
8月17日(土) 14:00〜16:00 
松江市総合文化センター 2階大会議室

*講座で紹介されたクジラ化石やアユ化石は、現在、島根大学旧奥谷宿舎(サテライトミュージアム)で展示中です。ぜひ、ご見学ください。
 

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