島根大学ミュージアム特別講座in広島「出雲文化へのいざない~弥生青銅器・たたら・出雲国風土記~」



 島根大学が平成26年3月9日(日)に開催する「古代出雲文化フォーラムⅡ」のプレ企画として、下記の島根大学ミュージアム特別講座を企画しております。
 広島方面の方で「出雲文化」に関心がある方、ご参加をお待ちしております。
 

趣旨:
 宍道湖・中海周辺部から中国山地までを含む出雲地域では、先史時代から現代にいたるまで、多様で個性的な文化が展開してきました。
 この連続講座では、弥生時代以降の出雲文化にまつわる様々なトピックのなかから、弥生青銅器、弥生墳丘墓、たたら製鉄、『出雲国風土記』を取り上げて、それぞれの専門研究者が分かりやすく解説します。
 きたる平成26年3月9日開催の「古代出雲文化フォーラムⅡ」へいざなう企画となっております。

「古代出雲文化フォーラムⅡ」の詳細はこちら≫

主催:島根大学・島根大学ミュージアム

会場:広島市まちづくり市民交流プラザ(〒730-0036 広島市中区袋町6-36)

対象:市民一般

定員:60名(当日先着順)

お問合せ:島根大学広島オフィス TEL (082)236-1926

その他:
・参加費無料

第1回 「出雲神話のロマンとたたら」 大庭卓也(島根大学総合理工学研究科教授)
 日時:平成25年10月5日(土) 13:30~14:45
 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室B
 
 出雲神話には、スサノオノミコトが中国山地に降り立ち、その子孫のオオクニヌシが国譲りをすることによって古代日本ができたと書かれています。オオクニヌシの出雲王朝を示すかのように出雲地域には銅鐸や銅剣などが多数見つかっています。鉄器も日本には同時期に入ってきたのではないかと言われ、中国地方はたたら製鉄といわれる、日本で発達した製鉄法が盛んに行われた地でもあります。たたら製鉄の代表として日本刀がありますが、その技術的な根拠は現代の科学そのものです。この講義では序論として出雲神話のロマンとたたら製鉄についてお話します。


第2回 「出雲のたたら製鉄」 角田徳幸(島根県教育庁文化財課企画幹)
 日時:平成25年11月2日(土) 13:30~14:45
 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室B

 中国山地では、砂鉄と木炭を原料とする「たたら製鉄」が盛んに行われていました。江戸時代から明治時代の最盛期には、中国山地の鉄生産量は国内の8~9割を占めるほどであったと言われています。出雲は、その中心地域の一つで、御三家とも呼ばれる有力な鉄山経営者によって、たたらが大規模に経営されていました。出雲のたたらを通して、たたら製鉄の生産内容や地域性についてお話しします。


第3回 「弥生時代の出雲青銅器文化」 松本岩雄(島根県教育庁文化財専門官)
 日時:平成25年11月30日(土) 13:30~14:45
 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室B

 「神々の国」といわれる出雲は『古事記』『日本書紀』などの神話に多く登場するが、背景となる考古資料は少なかった。ところが、1984・85年に出雲市荒神谷遺跡から銅剣358本、銅矛16本、銅鐸6個が出土。1996年には雲南市加茂岩倉遺跡で史上最多となる39個の銅鐸が出土し、弥生時代出雲の重要性が明らかになった。出雲の青銅器の特徴を踏まえて、どのようにもたらされたのか、何故埋められたのかを考え、弥生社会の実像に迫ります。


第4回 「弥生時代の四隅突出型墳丘墓」 會下和宏(島根大学ミュージアム副館長・准教授)
 日時:平成25年12月7日(土) 13:30~14:45
 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ マルチメディアスタジオ

 「四隅突出型墳丘墓」は、平面方形をした墳丘の四隅に突出部を備えた、変わった形をした弥生時代の墓です。日本海沿岸や中国山地の江の川中上流域に分布しています。最大級の「四隅突出型墳丘墓」は、島根県出雲市にある国史跡・西谷3号墓や同9号墓で、約40m以上の墳丘規模を誇っています。「四隅突出型墳丘墓」の分布や副葬品内容をみていきながら、弥生時代後半の山陰や中国山地の社会に迫っていきたいと思います。


第5回 「考古学からみた出雲国風土記」 大橋泰夫(島根大学法文学部教授)
 日時:平成26年1月11日(土) 13:30~14:45
 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室C

 奈良時代の地誌である『出雲国風土記』には、地勢・地名・物産・伝説や国引き神話をはじめとする神話が載るだけでなく、当時の出雲国を統治した国府や郡家(郡役所)、道路なども記載されています。出雲国府をはじめとする考古学的な調査を通して、出雲国が7世紀後半以降に形作られ、在地社会が大きく変容していった様子をみていきたいと思います。


第6回 「中国山地の暮らしと文化-たたら-」 島津邦弘(元中国新聞編集局次長・元比治山大学教授)
 日時:平成26年2月8日(土) 13:30~14:45
 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室C

 明治中期までの中国山地は、たたら製鉄が主要産業であり、多くの人が鉄とともに生きてきました。しかし、高炉製鉄の導入でたたらは衰退し、幾多の困難に直面しました。1960年代以後、中国山地が過疎問題に苦悩するのも、たたら製鉄の衰退と無縁ではありません。たたら製鉄がはぐくんだ文化とはどういうものだったのでしょうか。明治中期から高度経済成長期までの中国山地の変遷をたどり、たたらと今日の暮らしのつながりを探ります。

 
 


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