第59回島根大学ミュージアム市民講座「山陰の地で過去の津波の痕跡を探る」を開催しました。

本日午後は、第59回島根大学ミュージアム市民講座「山陰の地で過去の津波の痕跡を探る」を開催しました。

今回の講師は、堆積学をご専門に調査研究をされている酒井哲弥先生(島根大学総合理工学研究科准教授・島根大学ミュージアム兼任研究員)で、内容は津波の痕跡を探るお話でした。

酒井先生は、昨年から鳥取県との共同調査で、鳥取県内における津波堆積物を追いかけておられます。この調査の結果、鳥取県米子市と鳥取県北栄町で津波による堆積を否定できない砂層を検出されました。

鳥取県米子市で検出された津波の痕跡は、江戸時代の末期、1833年に当地に襲来したとされる山形・庄内沖の地震に伴う津波である可能性を想定しておられます。

また、鳥取県北栄町で検出された津波の痕跡は、約2000年前のものである可能性があるそうです。

講義終了後には、実際に調査で採取された堆積物の試料もまじかに見せていただきました。

東日本大震災以来、津波についての研究が、非常に注目されています。今後もしかしたら起こるかもしれない津波に対する防災、減災を考えるうえで、重要な意義をもっているからです。それだけに、こうした研究は、様々なデータをもとに慎重に分析していく必要があるようです。上記の津波の痕跡も、本当にそうであると断定できるのか、まだまだ、これからの調査研究による追認が必要であるとのことでした。今後の調査に期待したいと思います。

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