第60回ミュージアム講座「奥出雲地域のたたらと鉄穴流し景観」を開催しました。


本日午後は、第60回ミュージアム講座「奥出雲地域のたたらと鉄穴流し景観」を開催しました。

今回の講師は、本館の館長でもある林正久先生(島根大学教育学部教授)でした。

今回は、「山陰の古環境を探る」シリーズの最終回で、奥出雲地域でかつて盛んに行われていた鉄穴流しによって、どのように景観が変わったかという内容でした。

「鉄穴(かんな)流し」とは、たたら製鉄で原料として用いる砂鉄を、真砂土から取り出す作業です。丘陵を大規模に切り崩して得た真砂土を水路に流し、比重差を利用して砂鉄だけを採取していきます。

このため、奥出雲地域では、人間によって切り崩されたり、埋められたりして、大規模に改変された地形がいたるところに残されています。

こうした場所は、のちに「たたら新田」と呼ばれる棚田に作り変えられて、新たな人為的景観が生まれました。

現在、奥出雲町では、こうした景観を観光に有効活用していく計画もあるようです。

「山陰の古環境を探る」シリーズは今回で終了です。10月からは、新シリーズ「考古学・歴史学からみた先史・古代の出雲Ⅳ」が始まります。広島でも特別講座シリーズ「出雲文化へのいざない~弥生青銅器・たたら・出雲国風土記~」を開催します。

ご期待ください!!

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