2013年12月14日土曜日

第63回ミュージアム講座「古代製鉄の系譜-日韓製鉄史の比較から-」を開催しました。

本日午後は、第63回ミュージアム講座「古代製鉄の系譜-日韓製鉄史の比較から-」(島根大学公開講座「考古学・歴史学からみた先史・古代の出雲 Ⅳ」)を開催しました。今回の講師は、製鉄研究の第一人者、角田徳幸先生(島根県教育委員会・島根大学法文学部山陰研究センター客員研究員)でした。

内容は、日本と韓国の製鉄遺跡を比較して、その系譜について考えるというものでした。

鉄鉱石や砂鉄を炉で溶かして、酸素や不純物を取り除き、鉄を取り出すのが製鉄という作業です。韓国では、1990年代から古代の製鉄遺跡の発掘調査が本格化しました。その結果、石帳里遺跡(紀元3世紀末頃)や沙村遺跡などで、古代の円形の炉跡や炉に空気を送る送風管が見つかっています。また、古代の韓国では、朝鮮半島で豊富に産出する鉄鉱石を砕いたものを原料にして製鉄を行っていたようです。

一方、日本では古墳時代に、製鉄技術が朝鮮半島から吉備などへ伝わりました。当初は鉄鉱石が原料にされていましたが、中国山地で豊富に産出する砂鉄へと転換し、わが国独自の製鉄技術が発展していきます。すなわち、緻密な砂鉄を溶かすために、箱形の炉の壁面に、たくさんの送風管を取り付け、豊富に空気を送って炉内を高温にするという工夫がなされていくわけです。出雲や石見で花開くたたら製鉄は、その完成段階になります。

このように同じ製鉄でも、原料や地域によって異なる発展の道筋があることが分かりました。

次回は、先史時代のお墓をテーマに日韓の比較を行います。ご期待ください。
◆「先史墓制からみた韓半島と出雲」 
講師:平郡達哉(島根大学法文学部准教授・島根大学ミュージアム兼任研究員)
12月21日(土) 13:00~14:30
松江スティックビル(松江市白潟本町43番地) 201・202研修室

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