第87回ミュージアム講座「東南アジア・ラオスの歴史と遺跡」(兼:まつえ市民大学連携講座)を開催しました。

 本日午後、松江スティックビルにて、第87回ミュージアム講座「東南アジア・ラオスの歴史と遺跡」(兼:まつえ市民大学連携講座)を開催しました。この講座は、 平成28年度島根大学ミュージアム市民講座第1ステージ「世界を股に掛ける!島大の調査研究(フィールドワーク)」(兼:まつえ市民大学連携講座)の初回になります。

 今回は、当館の会下和宏准教授が、東南アジアのラオス国の歴史をテーマに講演しました。

 まず、現代のラオスについて、地理や気候、食べ物、工芸品などの紹介がありました。また、ラオスの特産品である手織物や竹製品を実際に手にとって見ていただきました。

 後半は、先史時代から現代までの遺跡や歴史について解説がありました。先史時代の遺物で特筆されるものに、銅鼓(どうこ)があります。銅鼓は、祭祀などで使用された青銅の打楽器で、紀元前5世紀頃に中国南部の雲南省で生まれ、東南アジア一帯に広まったと考えられています。ラオスでは、交通の要衝である南部のメコン川流域で見つかっていることから、流通を掌握した有力集団が保有していたと考えられています。また、銅鼓に描かれた鳥の姿をした人物たちが船に乗っている場面は、日本の弥生土器にも類似した絵画があるということでした。

 そのほか、ジャール平原にある先史時代の石壺群や12世紀頃アンコール王朝期のヒンズー教寺院「ワット・プー」などの紹介もありました。また、20世紀後半のベトナム戦争時になされた米軍の爆撃やクラスター爆弾の不発弾によって今も死傷者があることなど、現代史の負の一面についても説明がありました。

 次回は、スリランカの自然環境と直面する災害」(6/25)です。ご期待下さい。

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