第2回島根大学ミュージアム特別講座in広島Part2「弥生時代の集落・墳墓からみた『出雲』の成り立ち」を開催しました。

 本日、広島カープ優勝パレードでごった返すなか、広島市まちづくり市民交流プラザ(広島市中区)にて、第2回島根大学ミュージアム特別講座in広島Part2「弥生時代の集落・墳墓からみた『出雲』の成り立ち」を開催しました。

 この講座は、平成25年度に島根大学ミュージアム特別講座in広島「出雲文化へのいざない」を開催した際、大変好評で、再度の開催要望が多く寄せられたことから、パート2として企画したものです。

 第2回は、会下和宏島根大学ミュージアム准教授が講師を務め、弥生時代の集落遺跡や墳墓の状況からみた「出雲」地域の成り立ちについて解説しました。

 講座では、まず山陰地域における弥生時代集落遺跡の時期的な消長について説明があり、出雲平野や松江、中海南岸、大山周辺の遺跡の状況について、写真を用いて紹介がなされました。

 次に祭祀の様相として、荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡で発見された大量の青銅器や青銅器祭祀の内容について解説がありました。そして、山陰では、弥生後期になると、こうした青銅器祭祀が廃絶し、四隅突出型墳丘墓での墳墓祭祀が盛んになるという説明がありました。

 こうした集落遺跡や四隅突出型墳丘墓の分布状況から、各平野ごとに集団が蟠踞し、それらが結合して大きな「出雲」というまとまりを形成していたことが推察できるそうです。こうした社会のまとまりの形成は、日本海を介した鉄や鉄器の交易の統括、中国大陸・朝鮮半島からの先進文化の流入による刺激などが背景になっているという仮説も示されました。

 講座の終わりには、会場から質問などもなされ、参加者それぞれで、弥生時代の出雲について思いをめぐらせることができました。
カープのユニフォームを着た市民でごった返す本通り。

講座の様子


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