鉄穴流し

たたら製鉄に使用する中国山地の砂鉄には、主に山陰側の花崗岩が風化した「真砂土」からとれる「真砂砂鉄(まささてつ)」と、山陽側の斑レイ岩・閃緑岩が風化した土からとれる「赤目砂鉄(あこめさてつ)」とに大きく分けることができま す。

真砂砂鉄は、含まれている二酸化チタンが約5% 以下のもので、鋼を生産するのに向いているとされています。

また砂鉄には、山でとれる「山砂鉄」、川でとれる「川砂鉄」、海辺でとれる「浜砂鉄」があります。 このうち、「山砂鉄」は、山の斜面を人力で崩し、その土を水路に流す「鉄穴(かんな)流し」によって採取されました。

鉄穴流しの跡地には、棚田が造られ、出雲蕎麦や仁多米が栽培されました。奥出雲町にみられる鉄穴流し跡地に造られた棚田は、現在、国重要文化的景観に選定されています。

 奥出雲町有形民俗文化財 羽内谷(はないだに)鉱山鉄穴流し本場
奥出雲町 大原新田
奥出雲町 福頼(ふくより)鉄穴残丘棚田
奥出雲町 追谷(おいだに)集落棚田
墓地などがあった場所は、削らずに残されて「鉄穴残丘」となりました。

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