第126回アシカル講座「 弥生・原三国時代の日韓における副葬水晶玉について」を開催しました。

 本日午後は、第126回アシカル講座「弥生・原三国時代の日韓における副葬水晶玉について」を開催しました。この講座は、令和3年度アシカル講座第2ステージ「先史時代の日本列島・朝鮮半島(+北欧)」の第4弾になります。今回は、新型コロナ対策のため、ZOOMによるオンラインでの開催となりました。

 本日の講演は、平郡達哉先生(島根大学法文学部 准教授・総合博物館 兼任研究員)から、日本と韓国の墳墓に副葬された水晶製玉類のお話をしていただきました。

 まず、水晶とはどのような鉱物なのかについて解説があり、つづいて日本の弥生時代にどのような水晶製玉類が見つかっているのかについて紹介がありました。弥生時代の日本列島では、34遺跡から水晶製玉類が見つかっていて、玄界灘沿岸地域、周防灘沿岸地域、瀬戸内沿岸地域、山陰東部~丹後地域にまとまって分布しているようです。また、こうした水晶製玉類を製作した遺跡は、丹後や九州北部のほか、山陰では松江市平所遺跡などがあるそうです。

 一方、朝鮮半島では、弥生時代中期後葉頃~後期頃に併行する原三国時代に、金海市良洞里遺跡、雲陽洞遺跡、釜山老圃洞遺跡などで水晶製玉類が見つかっています。また、現在のピョンヤンにあった漢王朝・楽浪郡の古墳からも優品の水晶製玉類が出土しています。

 こうした朝鮮半島と日本列島の水晶製玉類がどのような関係のもとに展開していたのかについては、考古学的に追究すべき今後の重要な課題であるとのことでした。

 次回のアシカル講座「木製品からみた3世紀の出雲と大和」(3/19)もひきつづきZOOMによるオンライン開催とさせていただきます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。(お申込みはこちら≫)

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