第132回アシカル講座「山陰にも大きな被害を与えた太平洋側の巨大地震」を開催しました。

 本日午後は、第132回アシカル講座「山陰にも大きな被害を与えた太平洋側の巨大地震」を開催しました。

 この講座は、令和4年度アシカル講座第1ステージ「学びあれば憂いなし!山陰の自然災害」の第5弾になります。今回は、林広樹先生(島根大学総合理工学部准教授)から、山陰にも被害があった太平洋側に震源がある大地震についてお話いただきました。

 過去に山陰で被害があった地震には、山陰に震源をもつ「地殻内地震」と太平洋側に震源をもつ「プレート境界型地震」とがあります。「地殻内地震」は、震源が浅い直下型で、1872年の浜田地震、2000年の鳥取県西部地震などの例があります。「プレート境界型地震」は、1946年の南海地震、2001年の芸予地震などの例があります。

 「プレート境界型地震」は、駿河湾から日向灘沖にかけての海底に走る、「南海トラフ」といわれる溝状の地形において引き起こされます。このトラフでは、プレート運動によって潜り込むフィリピン海プレートにひきづられたユーラシアプレート(陸側プレート)が、限界に達し跳ね上がることで、巨大地震が周期的に発生しています。

 過去に起こった「プレート境界型地震」では、日本海側の島根県内でも一部で震度5以上の揺れがあり、大きな被害が発生しました。地下の地質構造や地震波との関係で揺れが増幅されるなどして、液状化現象や地盤沈下が発生し、被害が拡大したようです。

 これまでに県内の地盤調査などが進められた結果、こうした被害の発生メカニズムが解明されつつあるようです。遠方を震源とする地震だからといっても決してあなどることはできません。改めて日頃からの対策が必要だということが分かりました。

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