第139回アシカル講座「縄文の森としろがねの山」を開催しました。

 本日は、第139回アシカル講座「縄文の森としろがねの山」を開催しました。

 この講座は、令和5年度アシカル講座第1ステージ「石見学Ⅳ 石見地域の自然・歴史資源を学ぶ」の第4弾になります。

 今回は、中村唯史先生(島根県立三瓶自然館 学芸員・島根大学非常勤講師)に日本遺産「石見の火山が伝える悠久の歴史」の構成文化財である三瓶山や三瓶小豆原埋没林、石見銀山について解説していただきました

 三瓶小豆原埋没林は、約4000年に三瓶山が噴火した際に埋まった縄文時代の森です。各地で埋没林は発見されていますが、高さ10mを超える立木がそのまま残っている埋没林は、世界的にも珍しいそうです。人間がほとんど手を加えることがなかった当時の森において、いかに大樹が育っていたかが実際に目の当たりにできる貴重な場所です。

 石見銀山は、約200万年前から約60万年前頃の火山活動によって形成された大江高山火山の一部をなす仙ノ山にある世界的な鉱山です。16世紀から17世紀にかけての世界の銀産出量の1/3近くを産出していたといわれており、それが世界経済の一体化に果たした役割などから世界遺産に登録されています。

 仙ノ山で採れる銀鉱石は、土砂状の山に銀を含んだ熱水が浸透して形成されました。そのため、比較的柔らかく、広い範囲に分布しています。こうしたことから、鉱石を効率的に採掘することができ、精錬しやすかったようです。このことが石見銀山での銀生産を高める一因になったようです。

 本日の講座では、地質学の視点から、石見東部の三瓶山、石見銀山について学ぶことができた有意義なものとなりました。

 次回の第140回は、「国史跡 久喜銀山遺跡~もうひとつの石見銀山~」【9/23】になります。ご参加をお待ちしています。

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