キャンパス内の発掘調査が終了

 12月8日から実施していた島根大学・出雲キャンパス(医学部)での発掘調査(試掘調査)が終了しました。 

 島大キャンパス内での遺跡発掘調査は、島根大学ミュージアムが実施しているのですが、今回は医学部附属病院の開発地点4ヶ所に遺跡があるかどうかを確認する調査でした。(開発工事によって遺跡が壊されてしまう危険性がある場合、事前に発掘調査をすることが、「文化財保護法」に定められているからです。) 
 地下6mまで掘り下げ、縄文時代の堆積とみられる地層まで確認した結果、遺物の出土はみられませんでした。ただ、地下深くの砂礫層から、三瓶山が約3600年前に噴火した際に噴出したデイサイト(溶岩が固まったもの)が出土しました。調査地点は、縄文時代、古宍道湖(湾)の水のなかに位置していましたが、3600年前頃の三瓶山の噴火で噴火物が、神戸川によって押し流され、堆積したようです。基本的に、その後も河川の氾濫原にあたり、ベチャベチャとした場所で、人間が活動するような環境ではなかったようです。 

*島根大学出雲キャンパスの古環境・歴史についてはこちらをご覧ください。>>http://museum.shimane-u.ac.jp/exhibition/tennji.htm 

 寒風吹きすさび、冷たい雨に打たれながらの調査は、しんどかったですが(風邪をひきました)、何とか年内に終了できました。今月は、松江キャンパスでの試掘調査や普及啓発事業などもあり、休日返上で活動しました。まだ、色々デスクワークが残っていますが、とりあえず年を越せそうです。 

*構内での発掘調査は、松江キャンパスでもやっております。 
>>http://museum.shimane-u.ac.jp/08s_17/hakkutsu2008.html
頑張る調査補助員と作業員さん

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