洋館で学ぶ第17回ミュージアム市民講座を開催

 11月14日(土)、島根大学旧奥谷宿舎で第17回ミュージアム市民講座を開催しました。
 今回は、法文学部の大日方克己先生に、「岸崎佐久次と出雲国風土記」というテーマでお話をしていただきました。
   岸崎佐久次(さくじ・さきゅうじ、1634~1690)は、松江藩の役人で、出雲の高瀬川や差海川開削の指揮をとるなど活躍した人です。その一方で、奈良時代の『出雲国風土記』に注釈をほどこした『出雲風土記抄』を書いた人としても有名です。
 『出雲風土記抄』は、多くの写本によってひろまり、京・大坂・江戸の国学者たちにも強い影響を与えました。島根大学附属図書館所蔵の桑原家本は、こうした写本のなかでも最善本といわれています。

 この本をきっかけに、江戸時代の出雲国の人々も、身近な神社や地名が、古代へとさかのぼっていくのだという歴史意識をもつようになりました。
 今回の講座では、こうした岸崎の業績や、なぜ彼が風土記の研究をしたのかという時代背景について、新説も交えて、分かりやすくお話をしていただきました。
 岸崎の墓は、旧奥谷宿舎から歩いて5分の場所にある萬寿寺にあります。この場所で聞いた講座にぴったりの内容でした。

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