第41回島根大学ミュージアム市民講座「古代出雲の鉄・鉄器生産」を開催。

本日は、第41回島根大学ミュージアム市民講座「古代出雲の鉄・鉄器生産」を開催しました。



今回の講師は、永年、山陰地域をフィールドにして、鉄生産の調査研究に取り組んでおられる角田徳幸先生(島根県古代文化センター専門研究員・島根大学萌芽研究プロジェクトメンバー)でした。

古代出雲を語るうえで、鉄の生産は、欠かすことができません。

お話では、弥生時代中期後葉(紀元前1世紀ころ)から奈良時代(8世紀)までの山陰における鉄・鉄器生産の変遷について、具体的な発掘調査事例をもとに、分かりやすく解説していただきました。

山陰では、5世紀ころまでは、朝鮮から鉄鉱石系の鉄素材を運んできて、それを加工して鉄器を生産していたようです。しかし、6世紀以降になると地元でとれる砂鉄から自前で鉄を生産するようになります。

やがて平安時代後半から江戸時代になると、技術が進歩し、出雲や石見地域は、全国的に第一の鉄生産地域になります。

神話などのイメージが先行して語られがちな古代出雲の鉄ですが、今回は、発掘調査成果によって実証的に積み上げられた基礎データをもとに、鉄生産の歴史について具体的に学ぶことができ、意義のある講座となりました。

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