第49回ミュージアム講座「中近世における石見地域の陶磁器流通」を開催しました。


9月1日(土)、島根大学公開講座石見学I~世界遺産・石見銀山と中近世の石見」シリーズの最終回となる、第49回ミュージアム講座「中近世における石見地域の陶磁器流通」を開催しました。

今回は、本学のOBでもある、大田市石見銀山課(世界遺産センター)の西尾克己先生から、ご講演をいただきました。

まず最初に、備前焼、青磁、布志名焼など、国内外の陶磁器の実物を見せていただき、陶器と磁器の違いをはじめ、焼き物には様々な種類があることを教えていただきました。

つづいて、中国や朝鮮、東南アジアなどから日本にもたらされた青磁、白磁、青花など、様々な陶磁器について、スライドで解説がありました。中世には、外国との交易が想像以上に盛んであったことが分かりました。ちょうど、NHKの大河ドラマ「平清盛」に描かれている日宋貿易の頃の中国製磁器なども博多などの遺跡から多く出土するようです。

石見地域でも、古市遺跡(浜田市)、沖手遺跡(益田市)、白石遺跡(大田市)をはじめとした諸遺跡から、青磁、白磁、朝鮮陶磁器、国産陶器など、多種多量の陶磁器が出土しています。特に、益田市の中世益田氏に関わる 沖手遺跡 ・中須東原遺跡(益田市)では、朝鮮陶磁器の出土量がきわめて多く、直接交易をしていたことを反映しているようです。

また、世界遺産・石見銀山からも様々な陶磁器が出土しており、当時、「仙の山」を中心に都市が形成され、多くの労働者が生活していたとのことでした。

マーブルテレビの取材もありました。
「石見学Ⅰ」は、今回で終了しました。いずれ、「石見学Ⅱ」も企画していきたいと思います。
10月からは、新シリーズ、「続々・考古学・歴史学が語る先史・古代の『出雲』」が始まります。ご期待ください。

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