第67回島根大学ミュージアム市民講座「山陰の古墳と青銅鏡」を開催。

本日午後は、第67回島根大学ミュージアム市民講座「山陰の古墳と青銅鏡」を開催しました。

本日の講師は、古墳時代鏡研究の第一人者、岩本崇先生(島根大学法文学部准教授)でした。

日本の古墳からは、中国の漢・三国・晋などで作られた鏡や日本国内で作られた鏡が大量に出土します。これらは、当時の広域的な流通関係や首長同士の政治的なつながりを知るうえで、考古学的に大変重要な資料です。今回の講座では、山陰の古墳に副葬されていた、様々な鏡について、時期ごとに詳しく紹介されながら、その特徴を解説されました。

山陰では、弥生時代の墳丘墓には鏡が副葬されませんが、古墳時代になると、列島他地域と同様にたくさんの鏡が副葬されるようになります。これらの鏡は、畿内王権から政治的に授受されたものが多いのですが、一方で山陰独自の対外交渉によってもたらされた鏡もみられるようです。後者の鏡は、割れたものや意図的に割られたものが副葬されているようです。

今後、こうした鏡が副葬された古墳被葬者の政治的な位置づけについて、さらに追究していく必要があるとのことでした。

10月から7回にわたってお送りしてきた島根大学公開講座「考古学・歴史学からみた先史・古代の出雲 Ⅳ」(平成25年度島根大学ミュージアム市民講座第2ステージ) も今回が最終回となりました。5月からは、新シリーズ「日本の隣国・中国の歴史・文化を学ぶ」が始まります。引き続き、ご参加をお待ちしております。

コメント