第72回ミュージアム講座「地図・写真で見る松江城下町の移り変わりと建築物」を開催

 本日は、第72回ミュージアム講座「地図・写真で見る松江城下町の移り変わりと建築物」を開催しました。この講座は、城下町松江の見どころや構造、歴史、近代建築について学び、さらにこれからの松江市の景観についても考えてもらうシリーズ、「松江城下町の歴史と近代建築」の初回になります。

 講師は、当館の会下和宏准教授がつとめ、江戸時代の絵図や現在の写真、島根大学が作成した松江町歩きマップなどをもとに松江城下町のスポットを紹介しました。

 松江城下町は、江戸時代初期に堀尾吉晴らが造営します。当時の絵図によれば、この段階で既に現在の松江の町がほぼ出来上がっていたようです。この時期のカギ型路や寺などは、現在も多く残されています。

 つづいて明治時代になると、城下町の中に近代洋風建築が多く作られます。現在も残るこうした洋風の病院建築や銀行建築などについて文化財的価値の説明がありました。

 以上のように、松江には様々な歴史的建造物や風情ある町並みが多く残されています。しかし近年、古い建築物が次々と失われ、高層ビルが増加するなど、伝統的、歴史的町並みが急速に損なわれていることが危惧されています。講座の最後に、小泉八雲が愛した美しい水の都・松江を修景していくために、建物の高さや屋外広告物の規制、伝統的家屋の保存奨励などの必要性について問題提起がなされ、閉講となりました。


次回の講座は、「初代松江警察署庁舎の建築復原について」です。ご期待ください。

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