第95回島根大学ミュージアム市民講座「国引きジオパークって何?」を開催しました。

 本日、松江スティックビル(松江市白潟本町43番地)にて、第95回島根大学ミュージアム市民講座「国引きジオパークって何?」を開催しました。この講座は、平成29年度島根大学ミュージアム市民講座第1ステージ「 ”国引きジオパーク”を目指して!」 (まつえ市民大学連携講座)の初回になります。

 今回の講師は、入月俊明先生(島根大学ミュージアム館長・島根大学総合理工学研究科教授)が務められました。講演では、ジオパークとは何か?、ジオパークの意義・効果について、”国引きジオパーク”構想とは?、ジオパークで市民ができることについて解説されました。

 ジオパークとは、 「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味します。地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所のことを言います。ジオパークの中にあるサイトの保全だけではなく、教育やジオツアーなどの観光活動にも活かして、地域を元気にすることもねらいとしています。

 次に、現在、日本ジオパークへの登録を目指して進められている「国引きジオパーク」構想についての説明がありました。
 構想されている「国引きジオパーク」は、松江市・出雲市の「島根半島エリア」・「出雲平野・宍道湖・中海エリア」・「南部丘陵エリア」からなっています。

 この「国引きジオパーク」内では、約8,500万年前の日本列島が大陸と引っ付いていた時代から、約2500万年前の大陸分裂の時代、日本海拡大の時代、約1,500万年前以降の日本列島や島根半島ができていく時代、約10,000年前の宍道湖・中海・出雲平野ができていく時代まで、それぞれの時代の地層が見られることが特徴です。
 これらの時代の火山活動の痕跡が分かることや多くの化石が産出することも貴重な場所となっています。
 また、パーク内で産出する石材(来待石・森山石・矢田石・大海崎石)は、松江城や灯台などの歴史建造物にも使用されています。さらに宍道湖・中海を取り巻く上記のような地形は、古代以来の出雲文化を育んできました。
 以上のように、この地域がジオパークに登録される学術的な価値は十分にあります。
 
 すでにジオパーク内を案内するジオガイドの養成やジオツアーコースの考案なども始まっており、地元でも盛り上がりを見せているようです。
 「国引きジオパーク」は、いよいよ今月から秋にかけて登録審査が始まります。「国引きジオパーク」の日本ジオパーク化が、今、おおいに期待されています。

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