教養授業「地域博物館へのいざない」で小泉凡先生がご登壇

 当館が開講している教養授業「地域博物館へのいざない」では、本日、小泉八雲記念館館長の小泉凡先生がご登壇されました。
 まず、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がどういう生い立ちや人生を送った人なのかについての説明がありました。ギリシャに生まれ、アイルランド、イギリス、フランス、アメリカ、マルティニーク、日本へと移り住んだ八雲は、多様な文化・価値観を受け入れる「オープン・マインド」を持った人でした。
 小泉八雲記念館では、八雲の「オープン・マインド」の軌跡と意義についてたどる展示が行われています。
 現在、記念館で開催されている企画展「ハーンを慕った二人のアメリカ人~ボナー・フェラーズとエリザベス・ビスランド」では、八雲と親交のあった2人のアメリカ人についての紹介がなされています。ボナー・フェラーズは、「ハーンが私に日本を愛することを教えた」と書き残している人で、あのダグラス・マッカーサーの軍事秘書も務めました。一説では、八雲の影響で親日家となった彼の尽力も手伝って、東京裁判での昭和天皇訴追が回避され、現在の象徴天皇制の実現へとつながったそうです。
 後半は、八雲を現代社会に活かす活動についての紹介がありました。子供塾(スーパーヘルンさん講座)、ゴーストツアー、小泉八雲朗読のしらべ、アートで活かす小泉八雲の精神性など、様々な活動の企画・開催によって、八雲の「オープン・マインド」が現代に活かされていることが分かりました。
 今日の講義を通じて、聴講した学生たちも、国際交流や人と人との出会い・つながりの大切さについて学んでくれたと思います。小泉凡先生におかれましては、お忙しいなか、大変貴重な講義をありがとうございました。先生は、このあと、富山のほうへ八雲関連のお仕事で向かわれるそうです。

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