海のたたら

 アシカル企画展「鑪(たたら)×TATARA」に関連して、大田市や出雲市の海岸沿いにある「海のたたら」を踏査しました。

写真は、大田市温泉津町湯里にある鈩の鈩跡です。

砂浜は、砂鉄や波に洗われた鉄滓で黒くなっていました。

このたたら場は、大田市仁摩町を拠点にしていた藤間家が19世紀頃に経営したもので、木炭を長州から、砂鉄を伯耆から購入し、銑(ずく)を生産したあと、船で運び出していたようです。

砂鉄がたまった砂浜
入江の奥の谷がたたら場

石垣の上の平坦面がたたら場


このように海辺に立地するたたら場は「海のたたら」と言われています。砂鉄や木炭を外部から船へ運んでくるため、資源が枯渇することがなく、操業期間が長期にわたるのが特徴です。

有名なものに、出雲市多岐町にある国史跡・越堂たたらがあります。

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