第123回アシカル講座「栄養面からみる縄文食と先史時代の北欧食」を開催しました。

 本日午後、第123回アシカル講座「栄養面からみる縄文食と先史時代の北欧食」を開催しました。この講座は、令和3年度アシカル講座第2ステージ「先史時代の日本列島・朝鮮半島(+北欧)」の第1弾になります。

 今回の講師は、ノルウェー トロムソ大学博物館研究員・島根大学総合博物館学外協力研究員の小松彩先生でした。小松先生はプロジェクト研究のデータ収集のためにノルウェーから来日中で、その合間をぬって講演をしていただきました。

 前半は、ノルウェーとはどのような地域なのかについて紹介がありました。気候、歴史、民族、食生活についてのほか、北部は北極圏に含まれており、百夜や極夜があること、オーロラが見られることなど、様々なエピソードを交えてお話いただきました。

 後半は、先生が現在取り組んでおられるノルウェー先史時代と日本列島・縄文時代との食生活の比較研究プロジェクトについてのお話でした。

 ノルウェーと日本列島北部の遺跡から見つかる、人間が捨てた食べ物残滓として共通するものには、ほ乳類ではアザラシ科、貝類ではタマキビ属、鳥類ではキジ科・ミズナギドリ科・カモメ科、魚類ではマダラ科などがあるようです。

 今後は、「栄養考古学」と呼ばれる分野である、先史時代の人々の食事栄養バランスなどの分析を進めていかれるそうです。

 日本人にとって遠く離れたノルウェーは比較的馴染みの薄い国かもしれませんが、今回のお話を聞き、興味関心をもつことができました。参加者からも多くの質問が出されるなど、熱心に聴講されていました。

 次回のアシカル講座は、第124回「鉄器が変えた!西日本・朝鮮半島の先史社会」(12/4)(参加申込みはこちら→)になります。ひきつづき、よろしくお願い致します。

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