第128回アシカル講座「島根県にも津波はやって来る!山陰地域の津波の履歴」を開催しました。

 本日午後は、第128回アシカル講座「島根県にも津波はやって来る!山陰地域の津波の履歴」を開催しました。この講座は、令和4年度アシカル講座第1ステージ「学びあれば憂いなし!山陰の自然災害」の第1弾になります。

 今回は、酒井哲弥先生(島根大学総合理工学部教授・島根大学自然災害軽減教育研究センター長)から、山陰で確認されている過去の津波について解説していただきました。

 まず、津波とは何か?何が原因で起こるのかについて説明がありました。津波とは、風や潮汐などの通常の波とは異なり、突発的な自然現象が原因となって引き起こされる、周期の長い波のことを言います。地震による水底の急激な隆起や沈降、火山噴火、水底の地すべり、陸上の地すべりによる土塊の海・湖への流入など様々な原因があります。また津波は、大洋では新幹線並みのスピードで進みますが、陸地に近づくと速度が落ちる一方、波の高さが高くなります。陸地付近では、それでもオリンピック100m選手並のスピードでやって来ますので、早めの避難が大切になってきます。

 山陰では、過去に1026年の万寿地震、1833年の山形県庄内沖地震、1983年の日本海中部地震、1993年の北海道南西沖地震などによって、最大約3mの津波が襲来してきたようです。また、酒井先生らによる地中に残された堆積物の分析から、数千年前の津波の痕跡もあるそうです。

 津波は、1mの高さでも飲み込まれると死者が出ます。また、津波の原因は火山噴火や海底地すべりなどもあるので、地震由来の津波危険地を想定したハザードマップが100%正しいとはかぎらないようです。日頃から避難先の確認をしておき、いざという時は早めの避難が必要なようです。

 会場からは、「島根半島沖の活断層F55・F57がずれた際、どの程度の津波を引き起こすのか?」「太平洋側で大地震が起こった際、日本海側にも津波が来るのか?」「宍道湖にも津波が入ってくるのか?」など、多くの質問があり、津波に対する関心の高さがうかがえました。

 次回のアシカル講座は、第129回「これからの川とのお付き合い 〜正しく知り、正しく恐れる〜」【7/9】です。ひきつづきご期待ください。

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