本日午後、第146回アシカル講座「日本遺産:日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~(出雲市)」を開催しました。この講座は、令和6年度アシカル講座第1ステージ「島根の『日本遺産』を学ぶ」の第3弾になります。
今回は、三原一将先生(出雲市役所文化財課 主査)から、出雲市にある日本遺産「日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~」について解説いただきました。
まず、出雲市から日本遺産を申請する際に、どのような検討を経て、テーマ・ストーリーを構想したのかについての説明がありました。出雲市には、出雲大社や荒神谷遺跡など、すでに全国的に著名な文化財が数多くありますが、日本遺産の認定審査に際しては、これまでにない新たな切り口からのストーリー設定が求められます。興味深さ、斬新さ、訴求力、希少性、地域性という要素から、「夕日」という視点を基軸にして、日本遺産の申請をすることになったそうです。そして、平成29年、厳格な審査を得て、出雲市の日本遺産申請内容が、見事、認定されました。
諸説ありますが、奈良時代の『古事記』などにみられる神話の世界観では、大和からみて、出雲は北西方向に位置しており、日が沈む世界として特別視されていたようです。この「日が沈む聖地出雲」の世界観をベースに、23件の構成文化財がストーリーのなかに位置付けられています。
後半は、こうした構成文化財についての解説がありました。稲佐の浜、出雲大社、日御碕神社のほか、筆投島、大土地神楽、経島のウミネコ繁殖地、神幸神事など、有形・無形の文化財や天然記念物が、「夕日」をキーワードにしたストーリーに位置付けられていることが分かりました。日本遺産は、観光振興や関連する商品の開発にもつながっていくことが期待されます。出雲市では、今後も調査研究・整備・人材育成・情報発信などを持続的に進めて、地域の活性化につなげていきたいとのことでした。
次回のアシカル講座は、このシリーズの最終回、第147回「日本遺産:石見の火山が伝える悠久の歴史~”縄文の森” ”銀の山”と出逢える旅へ~(大田市)」(9/21)です。皆様のご参加をお待ちしております。
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