ハンス・シュワァルベ博士のご家族が島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高校外国人宿舎)にご来訪されました。

  本日、かつて島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高校外国人宿舎)に暮らしておられたハンス・シュワァルベ博士(Dr. Hans Schwalbe, 1910-1998)のご家族が、ベルリンから来日され、旧宿舎(総合博物館分館)にご来館されました。
 ハンス・シュワァルベ博士は、もともとベルリンでゲルマン文化、芸術史、哲学、新聞学を学び、ハンブルク、キーンで新聞の編集の職についておられました。
 そして、1939(昭和14)年11月~1945(昭和20)年8月、旧制松江高校(島根大学前身校)でドイツ語教師を務められ、この宿舎にも暮らされました。退任後の1961(昭和36)年~1975(昭和50)年には、東京で駐日ドイツ大使館報道官を務められました。この間、東京のオーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会(OAG)会長も務められ、1975年には、日本とドイツの文化交流に顕著な貢献をされたことが認められて、勲三等旭日中綬章を受賞されました。
 帰国後は、独日協会事務局長を務められました。著書に「Acht Gesichter Japans」(1970年)等があります。
 このたびは、宿舎でお生まれになったハンス・シュワァルベ博士のご子息と奥様、お孫さんが来訪され、戦前の宿舎での写真、ハンス・シュワァルベ博士の奥様が母国に宛てたお手紙などを当館にご寄贈いただきました。
 宿舎を見学されたご子息のクラウス・シュワルベさん、お孫さんのフリーデリケ・シュワルベさんは、当時の建物がそのまま保存されていることに大変感激したご様子でした。その後、シュワルベ先生も散策されていた近くの田原神社にご案内し、松江の歴史的な雰囲気を体感していただくことができました。また、シュワルベ先生を知っておられるというご近所の方ともお話をしていただくことができました。
 2009(平成21)年、島根大学は、空家になっていた島根大学旧奥谷宿舎を寄付金を募って修復し、現在は、島根大学総合博物館・分館として活用しているところです。今回、ドイツの方とこうした国際交流ができたのも、貴重な建物が今日まで保存されていたおかげだと思います。当館としては、今後とも、建物やかつての歴史を次世代に伝え、日本と外国との友好に少しでも貢献できるよう、つとめてまいりたいと考えています。
島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高校外国人宿舎)をご見学されるシュワルベさんご一家

近所にある田原神社

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