2007年5月26日土曜日

第1回「国登録文化財・島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高校外国人宿舎)の 保存活用を考えるワークショップ(参加型学習会)」を開催。

 島根大学では、現在、松江市奥谷町・島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高校外国人宿舎)の保存活用策を検討しています。そのためには、宿舎の諸情報を地域市民と共有し、建物や周辺地域についての思い出、記憶、活用策などを自由に意見交換する必要があると考え、第1回のワークショップ(参加型学習会)を開催しました。
当日は、地域市民、島大生・教職員など、約40名の方々がご参加くださり、盛況でした。以下に、その内容についてご紹介します。


■ 場所 城北公民館(松江市北堀町43)
■ 日時 平成19年5月26日(土)午後1:00~3:00
(午前11:00~12:00 希望者のみ旧奥谷宿舎内部の自由見学

■ プログラムと内容
1.「ワークショップ開催にあたって」高安克己(島根大学学術国際担当副学長)

2.基調講演「島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高等学校外国人宿舎)の保存と松江のまちづくり(文化財によるまちづくり)」江面嗣人(岡山理科大学教授)


・文化財は、本物を保存し、さらに創造的に活用してこそ意味がある。
・日本は、どこに行っても同じで没個性の町が多い。地域市民が主体となって文化財を活かし、個性ある、顔が分かる、松江らしい町づくりが大切。
・地域の文化財に「光」をあて、内外の人々に観ていただき伝えることが本来の「観光」である。
江面先生のお話に耳を傾ける参加者の皆さん
スライドをまじえて分かりやすくご講演いただきました。
3.調査報告
○「島根大旧奥谷宿舎(旧制松江高等学校外国人宿舎)の概説」会下和宏(島根大ミュージアム准教授)
・本建築は、大正時代に東京・大阪郊外や軽井沢で流行した三角屋根をもつ木造の洋風建築。松江市内でも数少ない希少な木造洋館である。

○「大阪朝日新聞山陰版にみる旧制松江高校」竹永三男(島根大学法文学部教授)
・1920~1949年『大阪朝日新聞(山陰版・島根版)』の旧制松江高校~島根大学に関する記事をすべて検索・リスト化し、学校の歴史と地域との関わりを概観。
4.参加者による意見交換~出していただいたご意見(要約)

○昔の宿舎の様子について
・南西隅部の浴室は、戦後、昭和30年代半ばに増築。
・屋根は黒瓦、壁の色は、うす青緑だった・・・。
・戦前は、祝日に日本とドイツ・米国の国旗が揚げられていた。
・玄関向かって右側に大きなイチョウの木があった。
○建物活用策のアイデア
・「歩いてめぐる城下町観光」の拠点に。
・町並み散歩の拠点として(北堀・石橋・奥谷町界隈は風情のある佇まいを残している・・・)
・町全体の歴史個性を保存するきっかけにしてほしい。
・レンタサイクルをおく。
・市内の古い建物をめぐる企画など、他の施設との連携をはかってほしい。
・住まいとは、暮らす人との生活と切っても切れないもの。当時の「暮らし」「生活」も含めた(その視点を忘れない)活用の仕方をしてほしい。
・地域の人たちが集えるような場所にしてほしい(サロン的なもの)
・ボランティアガイド(地元の人と島大生が一緒に)をおく。
・ユースホステルのような宿はどうか?
・地元住民・学生・観光客の交流拠点に。
・国際交流・研究の拠点として…各国・民族の写真展示など。在住外国人による母国文化の紹介。
・活用にあたっては、駐車場がほしい。
・大学と市民による共同運営ができないか?
○その他
・今、まさに市内再開発で松江の個性・歴史性が失われつつある・・・。
・地域の人々と松江高校外国人宿舎がどのように触れ合っていたか、聞き取り調査をしてほしい。
・内部の改修にあたっては、畳の間を一部屋くらいは残しておくと活用しやすい。
・建物の前を通るたびに、傷みが進行しているようで気になっていた。内部を見学してみて、やはり人が住まないと傷みが進むと思った。今後、改修して生き生きとした建物に生まれ変わってほしい。
・大変有意義な時間だった。以前から気になる建物だったこともあり、これを機会に勉強したい。
・建物の色は、壁のペンキがはげているところをよく観察すると分かるのでは?
・今後、建物の管理をきちんとしてほしい。