2009年5月30日土曜日

第11回ミュージアム市民講座「島根大学樹木探検」を開催しました。

第11回ミュージアム市民講座「島根大学樹木探検」(フィールドワーク)を開催しました。

今回は,大谷修司先生(島根大学教育学部教授・島根大学ミュージアム兼任研究員)にお願いして,松江キャンパス内の樹木について,実際にルーペを使って観察しながら教えていただきました。

身近にある樹木でも,よく観察すると,目立たない花が咲いていたり,小さなドングリの実をつけていたりと,新たな発見でした。

その他,クロガネモチにはオスとメスの木があること,イチョウやクロマツ,スダジイには雄花と雌花があることも教えてもらいました。 

高校生も参加してくれ,なかなかの盛況でした。

先生の解説もわかりやすく,楽しく,ためになる講座になったのではないかと思います。
クスノキ(手前)とメインストリート沿いのユリノキの並木
5~6月頃に花が咲く。葉っぱは独特の臭いがする。樹皮は防虫剤のショウノウの原料になる。 
メインストリートのユリノキの花
5~6月頃に枝先に大きな花を咲かせる。木の高いところに咲くので下から見上げても気付きにくい。
ケヤキの森で葉脈をルーペで観察(法文学部棟南側)
*身近な樹木の花や実を観察する際,参考になる以下の本を薦めてもらいました。

2009年5月29日金曜日

【島根大学の貴重標本類3】ニホンアシカ剥製標本(ラベル付き)

ニホンアシカ剥製標本
Zalophus japonicus

ニホンアシカ(アシカ科)は、カリフォルニアアシカの亜種で、かつては日本海西南部海域を中心に多数生息していました。

しかし、江戸時代から明治時代にかけて大量に捕獲され、とくに日本海の島根県・竹島周辺で毛皮や食用に大規模に捕獲されたため、1950年代以降、捕獲、目撃の記録がなく、絶滅したものと考えられています。

本標本は、1886(明治19)年2月に島根県松江市美保関町で捕獲されたもので、以来、島根師範学校に保管されていました。

若い雄で体長120cm。

ニホンアシカの剥製標本としては国内でも数少ないものの一つです。国外には、江戸時代に来日したドイツ人医師シーボルトが持ち帰ったものがオランダ国立自然史博物館に3点収蔵されているほか、大英博物館に毛皮標本1体と頭骨4点があるのみで、世界的にも非常に貴重な標本です。
島根大学山陰地域資料展示室に展示してあります。

2009年5月28日木曜日

【島根大学の貴重標本類2】キャンパスから出土した縄文時代の櫂とヤス柄


縄文前期の櫂とヤス柄の出土状態
(1996年出土、島根大学松江キャンパス武道場)
島大松江キャンパスの地表下4メートルから並んで出土した,約5300年前(近年の研究では,さらに数百年以上古い年代に補正される)の櫂とヤス柄。

長いもので全長250センチ以上,いずれもスギ製です。縄文前期のある日,1日の漁を終えた人物が置き忘れ,そのまま埋没してしまったのでしょうか?

日本の気象条件下では,こうした太古の木製品が残存することはきわめて珍しいことです。この櫂とヤス柄は,地下水に常に浸された低湿地にパックされていたことから,数千年間,運良く形を留めることができたのです。

それにしても,なぜ,島大のような内陸の地から櫂や漁撈具(ぎょろうぐ)が出土したのでしょうか?

今から約6000~5000年以上前の縄文前期,地球温暖化のために海面は現在よりも数メートル高かったと考えられています。内陸の谷部に海が進入した「縄文海進」の時代です。

島大松江キャンパスがある地にも,現在の宍道湖が日本海とつながった「古宍道湾(こしんじわん)」の入江が形成されていました。ちょうど,その水辺を舞台に縄文人が活動していたわけです。(参考ページ:水辺にあった松江キャンパス>>)

縄文前期(約6000年以上前)の水域(松江キャンパスの低い場所や朝酌川は海の中でした。)
ところで,島根大学では,15年前から文化財保護法に準拠して,学内独自の研究機関が,キャンパス内の遺跡発掘を地道におこなってきました。13年前,調査を担当していた私は,現場からタイムカプセルのように出土してきたこの櫂を見つめながら,穏やかな入江の水面(みなも)を揺らして,丸木舟で静かに航行する彼らの姿に,しばし思いを馳せたものでした。

現在,これらは,島根大学ミュージアム本館で展示されています。悠久の時を越えて日の目を浴びた,「実物」が持つ力をぜひ,感じてほしいと思います。

【島根大学の貴重標本類1】チョウザメ剥製標本(ガラスケース・ラベル付き)

チョウザメ剥製標本
列をなしているウロコが蝶の形に似ている。全体長1.6m

 前身校も含めると130年以上の歴史をもつ島根大学には,隠岐馬,ニホンアシカ等,明治・大正時代に収集され,大切に受け継がれてきた希少な標本が所蔵されています。写真のチョウザメ標本もそのひとつです。
 チョウザメ類は,生きた化石と呼ばれるシーラカンスがいた時代(約2億年以上前)からの残存種といわれています。
 ウロコが蝶(ちょう)の形をしていて,全体的な形がサメに似ていることから名付けられましたが,サメの仲間ではありません。魚肉やキャビアと呼ばれる卵は,高級食材として珍重されています。
生態は不明な点が多いですが,普段は海で暮らし,産卵のために川にのぼってくるタイプの魚です。近年の日本近海では,北海道や東北地方の沿岸でまれに見られるだけになってしまいました。
 本標本は,明治~昭和初期頃に島根半島の東端,松江市美保関で捕獲されたといわれており,島根師範学校から島根大教育学部に受け継がれ,現在は島根大学山陰地域資料展示室に展示されています。おそらく,国内最古級のチョウザメ標本ではないでしょうか。
 故上田常一島根大学教授の著書『山陰の動物誌』によれば,当時,美保関でしばしば捕獲されていたといい,種の分布やこの頃の海況を知るうえでも高い学術的価値をもっています。
 古めかしいガラスケースには,
「てふさめ 美保関採集・・・」
と達筆に墨書されたラベルが貼り付けてあります。
 標本本体はもとより,こうしたケースやラベルも明治~昭和初期における地域の博物学研究史を知るうえで貴重であり,当時,本学が果たしていた高等教育研究機関としての役割を物語る資料として,高い歴史的価値をもっています。

学名  Acipenser medirostris  チョウザメ目  チョウザメ科
詳細データ 全体長1.6m,頭長31㎝。
うろこ数:背板12,背びれと尾びれの間1,側板左33(うち奇形板2),側板右35(うち奇形板1),腹板左13,腹板右12,腹びれと尻びれとの間2,尻びれと尾びれとの間大小2

2009年5月22日金曜日

鹿児島大学総合研究博物館での全国学会に参加。

 5月21日~22日,鹿児島大学で大学博物館等協議会・博物科学会があり,研究発表とポスターセッションを行ってきました。
 鹿児島は,東京上野にわが国最初の近代的な博物館(現在の東京国立博物館)を作った町田久成の地元でもあります。 
 これまで日本の大学では,海外に比べて大学博物館の設置が遅れていました。しかし近年は,大学の個性化・差別化をはかるべく,各地の国立大学でユニバーシティー・ミュージアムが整備されてきています。
 鹿児島大学でも,キャンパスの中に広い植物園や昭和初期の建物を利用した展示施設が整備され,大学の標本類や研究が,市民に広く公開されていました。
九州新幹線「つばめ」(鹿児島中央駅)
鹿児島大学総合研究博物館(昭和初期の登録文化財を利用)
ポスターセッションで島根大学ミュージアムの活動を紹介
 中四国地方の国立大学でも,山口大学,広島大学,香川大学,愛媛大学など,各地でユニバーシティー・ミュージアムが次々に整備されてきています。島根大学も他大学にひけをとらないような展示室の整備を実現すべく頑張っていきたい,と思いを新たにした次第です。

2009年5月7日木曜日

第11回ミュージアム市民講座 「島根大学樹木探検」(フィールドワーク)

 第11回市民講座は、野外にて実施します。島根大学松江キャンパスの中にある樹木について教育学部の大谷先生に案内・解説していただきます。 
 丁度、ユリノキの花が見ごろな時期なので、よく観察することができると思います。 
 多くの皆様のご参加をお待ちしております。 

主催:島根大学ミュージアム 
共催:島根大学生涯学習教育研究センター・まつえ市民大学 
後援:松江開府400年祭推進協議会 

講師:大谷修司(島根大学教育学部教授・島根大学ミュージアム兼任研究員) 

日時:平成21年5月30日(土) 午後1:00~2:30 

場所:島根大学松江キャンパス・正門付近集合 

お申込み:事前に「名前・住所・連絡先」を電話・ハガキ・FAX・メールなどで下記までお申し込み下さい。当日参加も可。  
   【島根大学ミュージアム】〒690-8504 松江市西川津町1060 
   TEL・FAX 0852-32-6496  メール:museum@riko.shimane-u.ac.jp 

その他:参加費無料。 

詳細>>http://museum.shimane-u.ac.jp/shiminkoza2009/shimin_koza1...